カップルになりたい!

スカートの向こう側を見てみたい。
春風がスカートをめくって
桜満開
春爛漫
そして春限定の商品がぞくぞくと出てくる
夜にはカップルが手をつないで
春の到来をそれはとても祝う
私たちの季節だと言わんばかりに祝う
でも春という季節は愛とか恋とかの言葉が
ほんとうに似合うと思う
電車の二人席はカップルシートになり
ひとつしか空いてない場合は
彼氏は彼女を誰が座ったかわからない
汚い汚い席へと、さも当然のように彼女をエスコートする
彼女も当然のように座り
その隣の私は
この幸せなカップルに席を譲らないということで
悪者になる
2人の幸せの障害物
となったわけである
他に席が空いてたら他の席へ譲ってもよかろう
でも今日は平日の午後6時、当然ながら席など空いてないのである
仕方ないのでゲームでもして気を紛らわそう
と、
その前に
どんなカップルか一回くらい拝見
させていただこうじゃないか、
まずは彼氏をちら見
くそ見えね、
ちら見苦手なんだよな
ということで残念ながらここは毎度ガン見となる
ふーん
たいしたことねぇな
これくらいだったらぜんぜんくやしくねぇや
と、奴がこっち見ないことをいいことに
見続けること数秒
あ、こっち見た
やべ
奴は何見てんだよといった顔
私は見てませんよー
いやー目が悪くってね、あの広告見てたんですよー
いやあー昔コピーライターを目指してたもんでしてねー
もう見えたんでゲームしますよー
すみませんね、迷惑かけちゃってなはは
自分のこと見られてたと思うなんて自意識過剰なんじゃないですかー
誰も見てねーよお前の不細工な顔なんて!

さあて、彼女は
こんな顔の彼の彼女はどんなんかしらーと
横をチラ見
ってこの駅で降りるんかい
ラッキー顔が見える見えるって角度的に見えん惜しい
もっとこっち向かんかい!!
あーでも太ってんなー
小太り
それでニーソックス
膝裏がきっついなー
これ抱くんだ
こいつ抱くんだ
へー
顔見えないけど
あーよかった
不細工で。

とか思う、今日この頃

♪桜の花びら散るころにぃ叶わぬ思いがまぁたひぃとつぅ♪