やさしいさんすうに殺される

やさしいさんすうに殺される。
飯を食らわないと動かない体がもどかしい。
仕事が終わらない。
終電のために足を必死に動かした。
倒れこむ人。
歌を歌おうよ。そうだきっと愛するためだけに生きてるんだ。
涙が頬を伝う。
劣等感は消えない。
でもどこか充実もしている。
明日会社で何を言われるかわからない。
恋をした中学生みたいにどんな顔して、あなたの顔を見れば良いのかわからない。
九分九厘泣いてしまうだろうと思うことで泣けてくる。
「仕事が終わらないの」
「今は忘れなよ」
「だいすき」
そう言って泣きじゃくりたい。
上司の過去をふとした瞬間に聞く。
私の想像していたものとは、ちがってずいぶん楽しそうに話してたことが印象的だった。
毛細血管がわなわな震えている。
おしっこに行きたい。
おかあさんを起こしたい夜、


メモです。もう疲れた。どうせできない子だよ。昔からそうだった。さんすうができんかった。縦かける横なのに縦かける縦とか書いてた。いつも泣いてた。わかんなくて、わかりたくなくて、あのころの劣等感は今になっても直らないし忘れられない。今まさに、そう、私だけできてない。みんなの悪口はものすごく丸聞こえだ。