おんなのこでいたい

きょうは酷く生きてる感じがしなくてここちよかった、ずっと客観的に自分を見ていた、宇宙のことを考えていた、昨日六本木ヒルズから見た景色が忘れられない、あれが現実だと思いたかった、ひとつのことを考える、わたしのことを考えるあなたのことを考える、じっととおくとおくのうみをながめるように、いつかのうみをなつかしむように、しずかにしずか、音声にすると速くてあまりにも恥ずかしくて愚かだから文章にして、ゆっくり届くように、文字はゆっくりと体に溶け込む、
ひとつのものごとを逸らさずに見ていた、ら、それはとてもまっすぐで、宇宙にいた、まっくろいまっくろい宇宙、わたしのことを考えるときそれは、宇宙のことを考えるときだ、まっくろくて無重力、ふわふわで誰もいなくて、繋ぎとめられなくて、ときおり思い出したように地球を眺める、青い星に触れたくて、手を伸ばすとたくさんの笑い声と手が私の体に絡みついてひっぱられて落ちていく、自分の身体の重みを知ってうれしくなる

今日はほんとうに誰ともしゃべらなかった、しゃべりたくなかった、黙りこくっていたら、「元気?」って聞かれた、ずっとしゃべらずにいたら、自分の身体が自分のものなのに自分のものじゃないような気がして、歩いたりしていることが不思議で、こんなのでもちゃんと生きてることが不思議で泣きそうになった、なんで私って生きてるんだろう、こればっかりは考えてもわからないのはあたりまえだけど、考えすぎると、あまりにも恐ろしくて泣きそうになる、だから一日の最後は誰かに抱かれて眠りたい。生きてるよって言ってもらいたい、すきって言ってもらいたい、すきって言いたい、たくさんたくさん言いたい。
昼休み女の子たちは男の子の話しや自分の彼氏の話しを始めたので、私は気まずくなって、ずっと携帯電話を眺めていた。「私の彼氏30代なんですよー」「えーいいなーそれくらいの他人と付き合いたい」「元カレが同い年だったんで、30代って落ち着いてていいですよ、元カレとは7年も付き合ってたんですけど、中学からなんですけど、別れちゃいました」「長いねー」「結婚するタイミングって逃すと大変ですよね(笑」
「私にも紹介してよー」「合コンやろうよ」「やっぱり男はサスケクリアできるくらいの人じゃないと」「ちょっと引き締まってる人がいいよねー」「カッコイイ人もいいけど、やっぱりカッコイイ人は付き合うっていうより観賞用かな」「ブサイクは嫌」
私はこういう話しが非常に苦手で泣きそうになった、怖くて、酷くて、理想のタイプなんてそんな軽々しく言えないよ、恥ずかしくて、自分なんか、選ぶ権利ないと思ってるもん、ってそのとき本気で思ってて泣きたくて仕方なかった、すきな人いるのに、なんでそんなにみんな堂々と男の子の話しできるんだろう、自信ない、でもすきっていいたい、もっとかわいくなりたくて、残業後、洋服屋さんでスカートを買った、かわいくなりたい、女の子になりたくてしょうがない、誰かと眠りたい

嫌われても避けられてもやめられない


TOKYO STYLE (ちくま文庫)

TOKYO STYLE (ちくま文庫)

この本面白い、人の家、だいすき


「なに?」
「あのですね、うわ、言いにくい」
「えーなに、いやなかんじ、言いにくいってなに、聞きたくなー」
「だって言いにくい」
「だからなに?」
「………お金か、名前貸して、くれ、ませんか、」
「うわーとうとう来たか、名前ってなに、ヤミ金?絶対やめてよ、名前とか」
「あ、はー…なんか職が安定してないんでどこ行っても貸してもらえないんですよー…」
「で、ヤミ金ヤミ金だけはやめなよ、人生終わりみたいなもんだろうから」
ヤミ金だけは手出してません、それは終わりかなと思って、」
「で、いくらなの?」
「家賃…………なんで、ろ、6万」
「はー無理だわ、1万なら貸せるけど6万無理、他の人には当たってみたの?」
「まだです」
「○○ちゃんとかは?」
「あ、○○ちゃんは駄目です、月給7万とかですから」
「うーん、他はいないの?」
「いないかな…」
「なんでわたしなの?」
「うーん、なんとなく」
後輩から残業中に電話がかかってきた、仕事終わったら電話しなおすね、とメールを送るが、彼女はこれから仕事で深夜まで仕事だという、一応、2時半まで起きてるとメールをする、家に帰りコンビニで買ったカルボナーラを食べる、コンビニパスタも久々だと美味しい。クリームが濃厚でトレーを舐めまわす、トレーに付いてるクリームの方が濃いような気がして美味い。アイスクリームの蓋と同じ感覚だ。そして風呂に入って、なんで毎日風呂に入ってるのに身体はこんなにも脂っこくなるのだろうと考える、自分の身体が肉や脂肪やらできていることを思い知らされる、そして風呂から上がると、後輩から仕事が終ったとメールが入っていた。そして電話してみたらこんな内容だった。親には言えないらしい、親にはもう既にいろいろ借りてるようで、1万しか出さないって言ったけど、3万までなら出せるかもしれない、でもそんなことしたら、付け上がるので、やらないけど、
金は目に見える命だと思う。金を稼がないと何もできない、毎日毎日働いて、ほんのわずかなお金なんて、で少しの間旅行に行ったりするって、でも働く毎日が90%で、でも何もしないでいいよとか言われると人って何かと余計なことを考えてしまう、じゃあ、やっぱりこれでいいのかな、よくできてる、人って不器用だ