お父さん今頃、何してんだろう。

久々に店長と話す。店長から話しかけてきた。私に。
「演劇はやってるの?」
「今はお休み中です。」
「あ、そうなの。でも、まあいいよね、ひとつでもそういうふうに夢中になれることがあれば」
店長は若い頃どうだったのだろうか。
「今はもうひとつの仕事が忙しいんです」
「何やってるの」
「まあ、サービス業みたいなもんです、接客みたいな」
「ふーん」
「東京タワーで働いてます」
「え、東京タワー、遠いんじゃないの?地下鉄?」
「いや京浜東北で一本です。浜松町駅で下車です」
「あー意外と近いんだね」
「はい」
「混むでしょ、三丁目の夕日とかさ、そういう影響で」
「いや、平日は暇です。土日がやっぱ混みますね。土日はどうでもいい業務が増えるんですよ、ただ列整理したり、特別な知識とかいらないですからね」
「いやいや、そんなのことは…あ、蝋人形館とかまだあるの?」
「ありますよ」
「へーあるんだ、あれって俺が生まれる前からあるんだよなー、まだあるんだー」
「はい、ありますね。私は入ったことないですけどね、
…店長ギックリ腰ですか?」
「そうなんだよねー病院もちょうどやってないという…行きたくてもね」
「再発ですよね、」
みたいな話をした。こんなに長く話したのは久しぶりかもしれない。
よく考えれば、3年近くこの店長と一緒に働いてきたんだよな、
三行目の会話がお父さんって感じがした。