できねーよ

ねみい…テレビで泣いてしまったにしおかすみこの気持ちは何だか痛いほどわかる気がしている(見てねえけど、テレビ)涙が世間に認められればいいのに、なんで嘘くさくなっちゃうんだろう、好きな人の涙はきれいに見えるのに。あーいいじゃん泣いたって、あ、それ涙じゃないよ、水でしょそれ、水分調節水分調節、見なかったことにすればいい。だいたい涙に理由なんかいらない。
「何日でできる?」
「いや…あの、わかりません…」
「いや、できねーよ、できるわけないっしょ、まだ勤務して3日目か4日目でしょ…ってか見りゃあわかるっしょ、できねーって、この困りよううろたえよう、声の小ささ何もかもから、そんなの読み取るの小学生でもできるわ、おまえどんだけKYだよ、空気読めないんだよおおおお!!!!おまえが今一番聞かないといけないのは嘘でもいいから笑顔で『どこまで教わりましたか』とか『最初のうちは、わかんないと思うんで、俺にどんどん聞いてください!!』とかそういったさあー配慮のある新人さんを安心させて働かせる雰囲気作りだろーが、それをなーにが、『何日でできる?』だ、何て答えていいか一番わかんねーよ、26になってそんなこともわからんのか、できませんよ、できませんよ、できるわきゃあねえだろ!!」
って私が中学生だったら怒鳴ってたな確実に、たいして教えてもいない新人に偉そうに何日でできる?なんて聞ける馬鹿がいた、おまえ、今日ほとんど教えてねーだろーが、少しは自分の部下になったんだから配慮くらいしてやれよ、で新人ってのは、特にバイトってのは、まっさらが当たり前なんですよ、何もわからないのが当たり前、わかったら、お前ら必要ねーってのここにいねーっつーの、というか、わかんない人の気持ちなんてたぶん、いっさい考えたことねーだろ、あのさーあんたらにとっては当たり前のことでも新人さんには、全く当たり前のことじゃあ、ないんですよーそういう認識を持って教えてあげないとといつも思う。(『当たり前』ってすごい小さな世界すぎて、その中にいることに恐怖したりしないんだろうか、一歩出れば全てが当たり前ではなくなるのに)で、ちょこっと教えればできる奴もいるけど、できねー奴もいるんだって、で、できねー奴は本当に一からわかんんだって、白紙なんだって、それを安心させてやるのが上の人の教える人の立場じゃねーのって思うようになったのは、パン屋に3年勤めて、そこが初めての働き口だったんだけど、そこでの初めてが苦い思い出ばかりだからだ、何もわかんないし、一緒に働いてるバイトは怖いし、厨房は怖いし、何もわかんないし、焦らせられると余計にパニックになるし、でも親切な人もいたから3年も続けてこられた、その人たちに私がものすごく緊張してると「大丈夫よ」とか言って、笑ってくれたことや、冗談交じりに「リラックスリラックス」と肩を揉んでくれたことが今となっては、すごく支えになっていたんだなと思う。優しい言葉をかけられるだけで涙が出そうで仕方なかったけど、そういうたった一言がとてもとても大事だと思う、そんな他愛のない言葉で笑顔で人はものすごく安心できるのだ。それを学んでから、自分自身も心が安らぐ職場で働きたい、と思い、新人には優しく優しく、慌てず焦らず教えてきた、とにかくその人に、この職場にはやく慣れて欲しい、そのためには、その人を大丈夫だよ、と安心させることだと思ったのだ。そのかいあってか私は後輩から今まで言われたことのない言葉をもらってほんとうに驚いた「水原さんってとても穏やかですよね」と、そのことを友だちに話すと、全然穏やかじゃねーと言われてしまうのだが、ただ私は優しくするばっかで厳しくはいっさいできなかった。その点は逃げてた。厳しくする方が難しいとか言われるけど、厳しい人は私以外にも、たくさんいる、だから他の人たちにそのときは任せた。とにかく私が新人のころ、安心したくてしかたなかった、はやくこの職場になじみたくてしかたなかった、だから、これから働く人にも安心して働いて欲しい、その想いは実現できたと思っている。(半分くらいは)
だから今日の、何も考えてない発言には苛々きた。何でそれくらい読み取れないんだろう、どうして仕事ができる人は仕事のできない人たちの気持ちが全くわからないのだろう、あいつは何もわかってない、何もわかっちゃいないんだ、1人じゃあ何にもできないくせに、
これからもこいつに小馬鹿にされながら生きていくのかと思ったら何度も何度も今日も上司の背中にナイフを刺していた。(妄想)それくらいしかだってできないんだもん。「大丈夫だよ」って声をかけてあげたいけど仕事遅い奴が言うセリフじゃねーっよって思うし、言ったらなんか言われるだろうし、あー集団生活の極みよ、中学生となんら変わらん